
最終更新:2026年9月13日
バミューダの保険会社 Custodian Life Limited(清算手続き中)について、PwCが清算人に就任してから2か月が過ぎました。バミューダ最高裁の管轄で進んでいる清算手続きです。
その間、全契約者に向けた公式なお知らせは、7月10日の就任通知1通きり。「12月に分配」と聞いていたはずなのに何の音沙汰もなく、不安に思われている方も多いと思います。私もその一人です。
公式からのアップデートを待っていても始まらないので、手元に届いている書面を全部読み直し、契約者どうしのやり取りで出ている情報とあわせて、2026年9月中旬時点の状況を整理しました。
読み直してみて、いちばん驚いたのは「12月の中間分配」の中身です。誰がどういう条件で受け取れるのかは、すでに具体的に書かれていました。3月に裁判所へ提出された書類です。おそらく多くの方が、目を通さないまま手元に置いているのではないでしょうか。
ただし、先に2つお伝えしておきます。これは裁判所に裁可を求めている計画であって、確定した制度ではありません(審理は2026年5月29日に予定されていましたが、その結果を示す公表を筆者は確認できていません)。そしてEIB契約者の多くは、12月の分配の対象にならない可能性があります。これは筆者の推定ですが、根拠は第2節に書きました。
以下、その内容を中心にまとめます。前回の記事(2026年7月11日)の続きにあたります。
まず、自分が12月の分配の対象かどうか
保有していた資産の内容で決まります。最終的な分類は清算人が判断します。
| 当てはまるもの | 12月の中間分配 |
|---|---|
| 評価明細を提出済みで、保有が上場証券または現金(両方の場合を含む)A | 対象になりえます(Class A1) |
| 保有が非上場ファンド中心。EIB契約者の多くはこちらに当たる可能性がありますC | 対象外(Class A2) 権利を失うわけではなく、評価・換価が可能になってからの分配になります |
| 評価明細を提出していない、または記録との照合が取れないA | 対象外(Class B) 提出できればA1またはA2へ再分類されます |
いずれの場合も、AML/KYC書類を提出できなければ支払いは行われません。2行目の判定は筆者の推定で、公式文書に書かれている内容ではありません(根拠は第2節)。正確な分類は、PwCに照会しない限り分かりません。
この記事の要点
- 以下はすべて、3月に裁判所へ求めた申立ての内容です。裁可されたことを示す公表は確認できていません
- 中間分配の対象は、保有が上場証券・現金で、記録との照合が取れた契約者(Class A1)に限られます
- 金額は検証済み保有額の約60%が上限。実際の比率は清算人が決めるとされており、確定していません。残りは留保されます
- AML/KYC書類を提出できない場合、一切支払われません
- 評価明細(Valuation Statement)を提出していない方は、対象外です。心当たりのある方は今すぐPwCへ
- C EIBはファンドを保有するための箱であり、口座内の現金は最低限であるのが通常です。組み入れファンドの多くもオフショア籍の非上場ファンドであるため、EIB契約者の相当数がClass A2に分類される可能性があります(=12月の分配の対象外。これは筆者の推定で、公式文書に書かれている内容ではありません)
- 債権届出の期限は2026年12月31日。これを過ぎると請求先が残余資産と一般勘定に限られます
- B 契約者のあいだでは「PwCは年内の初回分配に引き続きコミットしている」と伝えられていますが、これは伝聞であり、清算人自身が年内分配を再確認した文書は確認できていません
- B PwCが契約者向けのオンライン説明会を予定しているとされています(日時未定)
- B PwCからのメールを一度も受け取っていない契約者が複数います。メーリングリストへの登録確認をおすすめします
先に、今すぐ確認していただきたい4つ
記事の詳しい説明は後段にあります。心当たりのある方は、読み進める前にここだけでも。
- 評価明細(Valuation Statement)を清算人に提出していますか。未提出のままだと Class B となり、12月の中間分配の対象になりません(→ 第3節①)
- 登録されている住所とメールアドレスは最新ですか。契約者のあいだでは、通知が届かない、あるいは他人宛の通知が届いたという報告が出ています。古いままなら今後の通知も届きません(→ 第3節②)
- AML/KYC書類は手元にありますか。パスポートの写しと住所証明。提出できない場合、分配は一切行われません(→ 第3節③)
- 「自分は債権の届出を別途する必要があるのか」を清算人に確認してください。締切は2026年12月31日と示されていますが、評価明細を提出済みの人に別途の手続きが要るのかは、配布された文書からは読み取れません。下の連絡文の例に、この質問を入れてあります
清算人への連絡先
bm_custodianlife@pwc.com
@は全角です。半角の @ に置き換えてお使いください。
英語の連絡文の例は第3節にあります。公式サイトは https://custodianlife.bm/(未ログインの方は「Request Access」から申請できます)。
債権届出の期限は2026年12月31日です。これを過ぎると、請求先が残余資産と一般勘定に限られます。
本記事は情報を3つに分けて示します。A 公式文書にもとづく事実/B 契約者チャットでの発言(公式発表ではありません)/C 筆者の推定。
見出しのバッジが節全体の出所です。段落の先頭にバッジがある場合は、そこだけ出所が異なります。出典の一覧と利害関係の開示は記事末にまとめました。筆者はCustodian Lifeの契約者です。
1. 中間分配の設計 — ここが最も重要ですA
2026年3月、当時の暫定共同清算人(JPLs)はバミューダ最高裁に対し、分離勘定の扱いと中間分配の裁可を求める申立て(Segregation Application)を行いました。その根拠資料である宣誓供述書は、全契約者に配布されています。ここに分配の設計が詳細に書かれています。
契約者は5つのクラスに分けられます
以下はすべて、清算人が2026年3月に裁判所へ裁可を求めた申立ての内容です。確定した制度ではなく、裁可されたことを示す公表も確認できていません。

| クラス | 内容 | 中間分配 |
|---|---|---|
| Class A1 | 分離勘定への紐付けが検証でき、保有が上場証券または現金(両方の場合を含む)(実際に支払を受けるには、後述のAML/KYC書類の提出も必要です) | 対象 |
| Class A2 | 検証はできたが、非上場・流動性のない資産(直接投資、暗号資産を含む) | 対象外 評価・換価が可能になり次第、または現物移管 |
| Class B | 分離勘定はあるが紐付けが検証できない、資産が不足している、評価明細が未提出 | 対象外 証拠が揃えばClass A1またはA2へ再分類(どちらになるかは資産の内容で決まります) |
| Class C | 存在するが名乗り出ていない契約者。宣誓供述書は約600名以上と推定しています | 対象外 |
| Class D | 契約者以外の債権者。D1(優先債権者)とD2(一般無担保債権者)に分かれる | 対象外 法定の優先順位を守るため資金を留保 |
宣誓供述書は、部分的にしか紐付けができない契約者について、後日 Class A3(Partial Holdings) の設定を提案する可能性にも言及しています。
上場証券と非上場資産の両方を持つ方は、上場証券の部分についてのみ中間分配の対象になります。
受け取るための3つの条件
- 完全な評価明細(Valuation Statement)を清算人に提出していること
- その明細の保有内容が、カストディアンまたはトランスファーエージェントの記録と照合できること
- AML/KYC/ATF(マネーロンダリング対策・本人確認)書類を、清算人が満足する形で提出すること
3番目は特に重要です。宣誓供述書には、必要書類を提出できない、あるいは提出しない契約者には一切の分配・移管を行わないと明記されています。該当する資金は、コンプライアンス上の問題が解決するまで留保されます。
金額と受け取り方
検証済み保有額の約60%までが中間分配の上限として示されています。ただし宣誓供述書は、正確な比率は「慎重な準備金を確保する必要を考慮して清算人が決定する」としており、60%は確定値ではありません。60%が満額適用された場合に残るのが約40%で、この部分がホールドバック(留保)となり、次の用途に充てられます。比率が60%を下回れば、留保はその分厚くなります。
- 後から名乗り出るClass C契約者への備え
- 照合作業による調整
- 清算人の報酬・費用
- 法務およびその他専門家費用
- その他の偶発債務
資産が足りない勘定はどうなるか
宣誓供述書は、ある分離勘定について認められた権利の合計がその勘定の資産を超える場合の扱いも定めています。不足はその勘定の権利者どうしで按分(pari passu)して負担し、他の勘定や一般勘定に遡ることはできないという整理です。清算人は契約条件その他の契約者向け書面を精査したうえで、不足時に一般勘定へ遡及できる明示的な規定は見当たらなかったと述べています。
受け取り方は選択できます。
- 現金— 清算人が保有証券を市場価格で売却し、その代金を受け取る
- 現物移管(In-Specie Transfer)— 証券をそのまま、ご自身が指定する規制されたカストディアンへ移す
現物移管を選ぶ場合、受け入れ先の口座情報、規制当局の承認、AML/KYC要件の充足が必要で、移管に伴う手数料は契約者負担です。どちらを選ぶかは、税務上の取扱い、受け入れ先カストディアンが応じるかどうか、手数料負担によって結論が変わります。判断の前に、ご自身の状況に即して専門家にご相談ください。
2つの重要な日付
| 日付 | 意味 |
|---|---|
| 2023年12月31日 評価基準日 |
すべての分離勘定に共通の、単一の評価日として裁判所の承認が求められています |
| 2026年12月31日 債権届出の期限(bar date) =清算手続きで「自分はいくら請求できる」と名乗り出る手続きの締切 |
この日を過ぎて名乗り出た契約者は、残余資産および一般勘定にしか請求できなくなります。これも申立てで求められている内容であり、裁判所が確定させたかどうかは確認できていません。また、すでに評価明細を提出済みの方に別途の債権届出が必要かどうかも、文書からは読み取れません。この記事は締切を繰り返しお伝えしていますが、手続きそのものが示されていないため、「自分に何が必要か」は清算人に直接確認するほかありません。第3節の連絡文の例に、この質問(4)を入れてあります。 |
そして分配の開始時期
宣誓供述書は、中間分配の手続きを2026年12月31日までに開始することの裁可を裁判所に求めています。
つまり「2026年内の分配」は、契約者のあいだの噂でも、単なる目標でもありません。裁判所に正式に裁可を求めた計画上の期日です。この申立ての審理は2026年5月29日に予定されていました。ただし、その審理の結果を示す公表は、現時点で確認できていません。
2. この設計が、EIB契約者にとって何を意味するかC:筆者の推定
前節の分類を、EIBという商品の構造に当てはめてみます。本記事はEIB(Exclusive Investment Bond)契約者を想定読者としています。PPBなど他の商品については、筆者に確認材料がありません。
この節は、宣誓供述書に書かれたクラス分けの定義(A)に、EIBという商品の構造を筆者が当てはめた推定です。公式文書に書かれている内容ではありません。クラス分けの定義そのものは公式文書に基づきますが、「どのファンドがどのクラスに該当するか」の判断は文書に書かれておらず、最終的には清算人が決定します。
EIB(Exclusive Investment Bond)は、ファンドを保有するための「箱」です。保険の形式をとってはいますが、実態は投資対象を組み入れるラップ口座に近いものでした。
この構造上、契約者は資金の大半をファンドに振り向け、口座内の現金は手数料の支払いに必要な最低限にとどまることが多いと考えられます。これは筆者自身の契約内容と、契約者どうしのやり取りで見聞きした範囲にもとづく推測であり、統計で裏づけたものではありません。実際、四半期ごとにEstablishment Fee、Custody Fee、Annual Policy Feeが引き落とされる設計になっており、現金を厚く持つ理由がありません。
ここで、Class A1の定義をもう一度確認します。
上場証券(認知された取引所で取引される代替可能な金融商品)および/または現金
つまり、現金比率が最低限であること自体が、中間分配の対象額を小さくします。
そして組み入れられていたファンドの側も、多くがオフショア籍の非上場ファンドです。マルタ、マン島、ケイマンなどに籍を置く私募ファンドで、証券取引所に上場されているわけではありません。ISIN(国際証券識別番号)は付与されていても、Morningstar や Bloomberg のような公開データベースでNAVを確認できないものが少なくありません。
これらが「認知された取引所で取引される代替可能な金融商品」に該当するかというと、素直には当てはまりません。
したがって、EIB契約者の相当数は Class A1 ではなく Class A2 に分類される可能性があります。その場合、12月に予定されている中間分配の対象からは外れ、各ファンドの評価・換価が可能になった時点での分配、または現物移管を待つことになります。
参考:筆者自身のケース
参考までに、筆者自身の保有内容を記しておきます。組み入れていたのは次の3本で、いずれもオフショア籍の非上場ファンドです。
| ファンド | ISIN | 籍地 |
|---|---|---|
| Horizon Plus Fund Class E USD | MT7000029807 | マルタ |
| Montreux Healthcare Fund Class A2 (ファンドの受益権クラス名であり、清算手続きのClass A2とは無関係です) |
IM00BL68GK60 | マン島 |
| Pecora QMS Fund Class 2X USD (旧 Vallea Fund) |
KYG9315A2672 | ケイマン諸島 |
これら3本はいずれも非上場ファンドであり、口座内の現金も手数料の支払いに必要な範囲にとどまるため、Class A1に該当する資産は事実上ありません。筆者は12月の中間分配の対象外になるものと考えています。
なお本記事では、各ファンドの個別の状況(配当停止、投資先の破綻、ファンド自体の清算手続きなど)には立ち入りません。分配のクラス分けと直接の関係がないことに加え、筆者はそれぞれの現況を一次資料で独立に確認できていないためです。筆者自身がこの3本を保有しているため、断片的な情報で状況を書くことは避けます。
誤解のないように
Class A2 は「受け取れない」という意味ではありません。権利を失うわけではなく、順番が後になるということです。宣誓供述書には次のように書かれています。
これらの契約者は、当該資産の評価および換価が可能になった時点で分配を受ける。または、実務上可能であれば現物移管を選択できる
清算人は「今後数か月かけて、これらの資産の現物移管の枠組みを整備する」としています。
ただし、Class A2の分配が実際にいつになるのかは、配布された文書のどこにも示されていません。「評価および換価が可能になった時点」という条件だけが書かれており、それが半年後なのか数年後なのかを推し量る材料は、現時点でありません。
ご自身がどの分類に該当するかは、保有していた資産の内容によって変わります。正確な分類は清算人が判断するものですので、確認が必要な方はPwCへ直接お問い合わせください。
3. 今すぐ確認していただきたいこと
上記を踏まえると、契約者側で取れる行動ははっきりしています。
① 評価明細(Valuation Statement)を提出していますか
A 宣誓供述書によれば、JPLsが把握できているのは次の3区分です。2023年11月30日より後の完全な評価明細を提出した契約者が1,362名、同日より前のものを提出した契約者が452名、不完全または未提出が122名。一方、会社のSAC代表者であるMarshが入手した名簿は、総契約者数が2,217名であることを示唆していると宣誓供述書は述べています。宣誓供述書はこれとは別に、「会社には2,000名を超える契約者がいたという理解にもとづき、評価明細が未提出の契約者がさらに600名以上存在するとJPLsは推定する」としています(これが後述のClass Cです)。この600名という推定の根拠は「2,000名を超える」という理解のみです。上の3区分の合計や2,217名との差から導かれた数字ではありません。自分の明細が「完全」として受理されているかどうかは、PwCに照会しない限り分かりません。
なお、集まった明細の合計資産価値(2023年12月31日時点・約2億3,700万ドル)と会社の管理会計上の契約者資産(2023年11月30日時点・約2億2,300万ドル)には約1,400万ドルの差がありますが、基準日が1か月ずれているため、これが資産の欠損を意味するとは限りません。
提出していない方はClass Bとなり、中間分配の対象になりません。オンラインポータルが停止しているため明細を取得できないという方も少なくありません。その場合は、下の連絡文の例の (5)(明細の有無と入手方法の照会)をそのまま使って、清算人に問い合わせてください。
② 登録されている連絡先は正しいですか
B 7月10日の就任通知は、一部の契約者には封書で届いています。チャットに「封筒をまだ開けていない」「送られてきた手紙を転送・スキャンできる」といった発言があります。就任通知の原文には送付方法の記載がなく、これは契約者どうしのやり取りにもとづく記述です。全員に郵送されたことを示す資料は確認できていません。
一方で、受け取っていないという契約者も複数います。筆者もその一人です。筆者の場合、登録メールアドレスが清算人の記録にあることは確認できています。封書が届かない理由は分かりません。郵送物の有無だけでは登録状況は判断できないため、気になる方はPwCに直接確認するのが確実です。
B 契約者のあいだでは「受け取っていない」という声が複数上がっており、他の契約者宛の通知が自分に届いたという報告もあります。古い住所のままなら、今後の通知も届きません。
メールが届かない場合の窓口は、PwCのアドレスだけではありません。公式サイト https://custodianlife.bm/ からも手続きができます。A サイトは清算人によって更新され、案内が2通りに分かれました。
- 以前ログインしたことがある方:メールアドレスと、以前に通知されたパスワードでそのままサインインできます。ログインすると、新しいパスワードの設定を求められます
- ログイン情報を受け取っていない方:「Request Access」から申請します。基本情報と、Custodian Lifeとの関係を確認するための裏づけ書類の提出を求められ、確認後に承認されます
「Forgot password?」の導線もあります。ログイン情報が見当たらない場合は、こちらか、PwCへのメールで再発行を依頼するのが早いと思われます。
B 契約者チャットには、PwCからの受信確認メールの写しも共有されました。それによると、サイトのログイン情報は暫定共同清算人が2025年3月25日付の書簡で通知済みで、それが現在も有効なはずとされています。ログインできない、または新しいログイン情報が必要な場合は、その旨を連絡すれば対応するとも書かれています。これも他の契約者宛の文面がチャットに共有されたもので、筆者は原本を確認していません。ただし、手元に2025年3月25日付の書簡が残っていないか探してみる価値はあります。
③ AML/KYC書類の準備はできていますか
分配の直前になって書類が揃わないと、そのまま留保されます。パスポートの写し、住所証明など、一般的な本人確認書類を用意しておくことをおすすめします。
清算人への連絡文の例
連絡先は冒頭のボックスに記した bm_custodianlife@pwc.com です(@は全角です。半角の @ に置き換えてお使いください)。
連絡文の例(英語)
[ ] の部分をご自身の情報に置き換えてお使いください。
Subject: Policyholder details and interim distribution – [Your Full Name]
Dear Sirs,
I am a policyholder of Custodian Life Limited (in liquidation).
I am writing to confirm my details on your records ahead of the
proposed interim distribution.
– Full name (as per policy): [Full Name]
– Policy / account number (EIB/PPB): [Policy Number]
– Date of birth: [DD/MM/YYYY]
– Current postal address: [Full Address, including country and postcode]
– Email address: [Email]
– Telephone: [Phone Number]
I have not received the Notice of Appointment dated 10 July 2026.
[※受け取っている場合はこの1行を削除してください]
Could you please confirm:
(1) that my details have been updated on the register;
(2) whether you hold a complete Valuation Statement for my policy;
(3) what AML/KYC/ATF documentation I should provide in advance;
(4) whether I am required to submit a formal claim in addition to the
Valuation Statement, and if so, the procedure and the deadline; and
(5) if you do not hold a complete Valuation Statement for my policy,
how I may obtain one, given that the online portal is unavailable.
Please send any future correspondence to the email address above.
Kind regards,
[Your Full Name]
あわせて、公式サイト https://custodianlife.bm/も定期的にご確認ください。清算人が「当面はこのサイトを継続して使用する」と案内している公式の情報掲載場所です。
4. PwCの就任通知(2026年7月10日付)A
就任した清算人:Dan Schwarzmann 氏、Arthur Wightman 氏(PwC バミューダ)、Edward Macnamara 氏(PwC 英国ロンドン)の3名。
バミューダ最高裁の2026年7月3日付命令により、7月10日付で就任。前任の暫定共同清算人(JPLs)の在任期間は、2023年11月24日〜2026年7月10日と明記されています。
今後の進め方として書かれていること
- 今後数週間をかけて、会社の帳簿・記録およびJPLsから引き継いだ情報を精査する
- 会社の資産を保全する
- 必要に応じてCOI(検査委員会)と協議しながら、清算の戦略を決定する
- 最優先事項は契約者・債権者への金銭・資産の返還であり、そのためにはまず契約者資産の分離状況を確定させる必要がある
- 調査結果と戦略は、合理的に可能な限り速やかに報告する
この通知に分配時期の記載はありません。時期については、第1節で述べた裁判所への申立てが根拠になります。
そして7月10日以降、PwCから全契約者に向けた追加の書面通知は確認されていません(個別の照会への回答は行われているとされています。第6節参照)。筆者は2026年9月13日にログインして公式サイトの文書一覧を確認しましたが、新清算人が掲載した文書は就任通知(Notice of Appointment)1件のみで、説明会の案内、Deloitteの免責申請の結果、スウェーデン仲裁の結果を示す文書は、いずれも掲載されていませんでした。
5. なぜここまで時間がかかっているのかA
背景にあるのは、会社の帳簿・記録が現在も清算人の手元にないという状況です。
元取締役 Joakim Samuelsson 氏と、バックオフィス業務を担っていたスウェーデンの J.P. Consulting から記録の引き渡しが行われていないと、清算人およびAHCCは説明しています。このためどの資産がどの契約者に帰属するのかを確定できない状態が続いています。契約者向けポータルも停止したままです。
- Samuelsson氏は、会社文書の提出を命じる裁判所の命令に従わなかったとして法廷侮辱と認定されています(AHCCの書面アップデートによる。認定が解除されたことを示す情報は確認できていません)
- BMA(バミューダ金融当局)は2026年3月27日、同氏に無期限の禁止命令を発出しています(BMAの発表。バミューダの報道でも確認できます)
- スウェーデンでは、2025年7月に裁判所がデータの引き渡しを命じる仮処分を出し、執行当局による現地捜索も行われましたが、記録は発見されませんでした。その後、JP Consulting側が「仮処分の要件を満たしておらず、請求に合理的な根拠がない」と主張し、2025年8月29日に仮処分は取り消されています。宣誓供述書は、JP Consultingがそれ以前にはデータの帰属や提供義務そのものを争っていなかった点を強調しています。
- 現在は仲裁に移行しており、AHCCによれば審理は2026年6月8日の週、最終判断は2026年8月31日までに出される予定でした。結果は現時点で確認できていません
- 清算人自身も、宣誓供述書のなかで「本申立ての進行は他の手続きの結果、とりわけスウェーデンで進行中の仲裁に影響を受けうる」と述べています。分配の実現がこの結果に左右されうることは、清算人の認識でもあります
A この因果関係は、清算人自身が書面で明言しています。2026年3月27日付でJPLs(当時のDeloitte)が全契約者・債権者に送付した書簡は、次のように述べています。
元取締役 Joakim Samuelsson 氏と、会社のバックエンド業務提供者である JP Consulting Finance & Management AB が、会社の完全な記録の提供を不法に拒んでいることの直接の結果として、JPLsは、契約者の投資と会社名義で保有されている資産との紐付けについて確定的な判断を下すことができずにいる
「まず分離の状況を確定させる必要がある」という説明は、この記録の不在を指しています。
なお、上記はいずれも清算人側の説明・申立てにもとづく記述です。スウェーデンの仲裁は現在も進行中で、相手方の主張が裁判所または仲裁廷によって判断された段階ではありません。本記事は一方の説明を裏づけるものではありません。
6. 【最新】9月5日〜12日の動きB
2026年9月5日から12日にかけて、契約者コミュニティで質疑応答が交わされ、複数の情報が示されました。この節は、伝聞(B)と一次資料で裏が取れたもの(A)が混在します。各項目の見出しにバッジを付けています。
⚠ この節の情報の性質について
以下はチャットグループ内の発言であり、清算人または委員会が発出した公式文書ではありません。回答者は旧AHCCメンバーとして発言していますが、本記事の筆者はその立場を独立して確認できていません。また、回答の多くは「私たちの理解では」という形で述べられており、PwC自身の表明ではなく、第三者を介した伝聞です。
したがって、B の付いた項目は現時点でそう説明されている、という事実として受け取ってください。確定情報として扱うべきものではありません。正式な確認はPwCへ直接お願いします。
B ① 年内の初回分配について
契約者のあいだでは、次のように伝えられていました。
私たちの理解では、PwCは年内に初回分配を行うことに引き続きコミットしています
ただしこれは「私たちの理解では(As per our understanding)」という前置き付きの伝聞です。
清算人自身が年内分配を再確認した文書は、確認できていません。伝聞は伝聞のまま据え置くのが正確だと思います。
A ② PwCの報酬体系 — 分配が始まるまで四半期報酬を受け取らない
「個別に問い合わせると費用が発生するのでは」という懸念に対する回答です。
PwCが個別の照会に回答することについて、追加費用は一切発生しません。時間単価で課金していたDeloitteとは異なり、PwCは四半期ごとの上限を設けた固定報酬と、分配に連動する変動部分という体系に合意しています。最も重要な点として、PwCは債権者への初回分配が行われるまで、一切の報酬を受け取りません
この点は公式資料で確認できました。AHCCが清算人の選任投票に先立って全債権者に配布したブリーフィング資料(2026年4月20日)に、PwCが提示した報酬体系が記載されています。A
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 四半期報酬 (上限付き) |
実際の稼働時間と上限額の低いほうを支払う。上限は1年目が四半期あたり20万ドル、2年目が15万ドル、3年目が10万ドル、4年目以降はゼロ |
| 変動報酬 | 分配した資産総額の1.75%を基本とし、COIの裁量で最大1.00%を加算(合計 1.75〜2.75%) ただしCOIは本稿時点で設置が確認できていません(第7節)。加算部分を誰が判断するのかは不明です。 |
| 支払時期 | 積み上がった四半期報酬は、契約者への初回分配が行われるまで支払われない |
ただし、チャットでの説明と一致しない点があります。第一に、これは「固定報酬」ではありません。時間課金は続き、そこに上限が被さる構造です。第二に、支払いを初回分配まで繰り延べると資料が述べているのは四半期報酬についてであり、変動報酬まで含めた「一切の報酬」とは書かれていません。公式ポータルに公開されている文書(就任通知・各回状・第1回債権者集会の資料と議事録・各進捗報告)には報酬体系の記載がなく、上表の根拠はAHCCの配布資料のみです。
また、「個別の照会に追加費用は発生しない」という記述は、公式文書では確認できませんでした。上限つきの報酬体系である以上、照会対応の費用が青天井になることはないと考えられますが、「無料」と断定できる根拠はありません。なお四半期報酬の上限は年を追うごとに下がり4年目でゼロになるため、分配を早く進めるほど清算人側に有利に働く設計と読めます(筆者の読みであり、公式文書がそう説明しているわけではありません)。気になる点があれば、PwCに直接確認するのが確実です。
B ③ PwCがオンライン説明会を予定していると説明されています
PwCが近く、債権者向けにTeams通話による説明を行う予定です。全契約者が招待されます。PwCは書面での更新ではなく、定期的なTeams通話で債権者に直接説明する方針です
開催日時は示されていません。PwCからの案内を待つ形になります。案内はメールで届くとみられるため、登録アドレスが最新であることが前提になります。
その後、9月12日のチャットでは、旧AHCCメンバーを名乗る方から「債権者向けの説明会は今月後半に予定されている」「Zoom/Teamsで参加でき、清算人から直接、進捗の説明を受けられる」「今後も定期的に開催する予定」という説明がありました。これも発信者の立場を筆者が独立して確認できたものではありません。日付は依然として示されていません。
B その後、契約者チャットに、清算人チームからの返信の写しが共有されました。連絡先の登録に関する照会への回答とみられ、要旨は次のとおりです。
- 提供されたメールアドレスと住所を記録に追加した
- 清算人は「清算の適切な戦略を現在検討中」であり、判断が可能な限り完全で正確な情報にもとづくよう、引き続き情報の収集と精査を進めている
- 全契約者を対象とした説明会(call)を近く開催する。参加登録の方法を含む案内を、数日内に出す
これは筆者宛の返信ではなく、チャットで共有された他の契約者宛の文面です。筆者は原本を確認しておらず、真正性を独立して検証できていません。確定情報として扱わないでください。なお、この照会は連絡先の登録に関するものとみられ、分配について尋ねたものではありません。年内分配への言及がないこと自体に、意味を読むことはできません。
一方、書面での定期報告を求める声も複数の契約者から出ています。
「隔週の書面アップデートを年末まで出してほしい。会議は歓迎だが、全員が毎回参加できるわけではない。見て分かることが信じることにつながる」
「動画より書面の説明を望む人は自分だけではないはずだ。多くは参加できないし、記録としても残らない。書くほうが簡単で、きちんとした記録も残る」
「月次でPwCから全員にメール、隔月でZoom。質問は事前に提出。録画と議事メモを後から送ればいい」
B ④ COI(検査委員会)はまだ設置されていません
AHCCは2026年7月9日をもって解散しました。その後継の設置については、現在PwCが検討中です
AHCCが7月9日に解散した点は、AHCC自身の第9回書面アップデート(7月10日付)でも明記されており、公式文書で裏付けられています。
設置時期を問われた回答は、率直なものでした。
PwCと協議中で、先方も検討しています。ただし、現時点での最優先事項は債権者への分配を急ぐことです。後継組織の設置は、優先順位としては下位にあります。とはいえ、いずれ立ち上がることを期待していますし、引き続き働きかけます
これに対し、契約者からは監督体制の不在を懸念する声が上がりました。
「AHCC自体が不在の状態で、誰がPwCの仕事を監督するのか。バミューダの裁判所やBMAは、すべてが終わってからでないと動かないかもしれない」
これに対する回答は次のとおりです。
私たちはPwCと協議を続けており、清算の進捗について定期的な報告も受けています。現時点では、PwCが分配を急ぐべく尽力していることに満足しています。(中略)Deloitteの時代、AHCCは並行した連絡経路を持たざるを得ませんでした。彼らが多額の報酬を請求しながら進捗を示さず、契約者の照会に適切に対応しなかったからです。PwCは、照会は直接自分たちに寄せてほしいと求めており、速やかに回答するとしています
B ⑤ PwCからのメールが届いていない契約者がいます
これは実務上、最も重要かもしれません。
「PwCからのメールを受け取ったという話だが、いつ、誰から送られたのか。見当たらない。Deloitteからのメールは届いていた」
「同じです。PwCからのメールは一通も受け取っていません」
これに対する回答:
全員がPwCに連絡して、メーリングリストに追加してもらうようにしてください。 Deloitteのメーリングリストが引き継がれているので、本来はすでに登録されているはずです。しかし届いていないと思われる方は、上記のアドレスに連絡してください
心当たりのある方は、これが最優先の実務です。説明会の招待も、今後の通知も、登録されていなければ届きません。
⑥ 契約者からの声B
「自分が間違ったグループにいるのではないかと不安になる。この数週間ほとんど連絡がなく、PwCからは何もない」
「これまでに送られてきた連絡は1通だけ。7月10日付のものです」
「7月10日から今まで新しい連絡がないというのは、『可能な限り速やかに』とは思えない」
「清算人の交替は、いずれにせよさらなる遅延を招くものだったと思う。ただ、コミュニケーションは改善してほしい。これまでは不十分だった。あくまで私見だが」
「契約者が個別にメールを送ると、その返信対応の費用が資産から支出されるのではないか」という懸念も示されています。懸念としては理解できますが、これは清算人自身が問い合わせ窓口として案内しているアドレスです。登録情報の確認のように、分配の可否に直結する連絡まで控えることは、かえって不利になりかねません。費用が発生しないと断定できる文書は確認できていませんが、報酬には四半期ごとの上限が設けられています(上記②)。
7. AHCCとCOI — なぜ連絡が途絶えたのかA
2026年5月15日の第1回債権者集会で、契約者は圧倒的多数でPwCを正式清算人に選び、COI(検査委員会)の設置とAHCC7名の委員就任を可決しました。
その後、AHCCからの発信が途絶えたことを不安に思われた方も多いと思います。理由はAHCC自身が説明しています。
お詫び申し上げます。第1回集会の結果を正式に承認する法的手続きは極めて複雑でした。承認審理に至る一部の提出書類が裁判所により封印され、AHCCと法律顧問に厳格な守秘義務が課されました。この制限により、一定の事項が首席裁判官の面前で審理されるまで、皆様と自由に連絡を取ることができませんでした(第8回書面アップデート・2026年6月13日)
沈黙は放置ではなく、裁判所の守秘命令によるものでした。
なお、封印そのものは公式サイトで公開されている7月3日付の裁判所命令にも見られます。第12項は、当該申立て・宣誓供述書・提出書面・裁判所ファイルおよび裁判官のノートについて、「追って裁判所の命令があるまで封印し、秘匿する」と定めています。AHCC自身は「承認審理に至る一部の提出書類が裁判所により封印された」と説明しており(第8回・2026年6月13日、第9回・7月10日)、承認審理は7月3日に行われています。
その後の経緯は次のとおりです。
- 6月11日:第171/181条の承認審理。当初はPwCの就任を6月30日とすることで合意
- 7月3日:裁判所が命令を発出。実際の就任は7月10日に。AHCCによれば、遅延の一因はDeloitteの免責申請への対応
- COIの設置に関する申立て(会社法第181条)は「一般的に延期」されました。7月3日付の裁判所命令は、この申立てを adjourned generally とし、新清算人(PwC)の申し出があれば登記官が期日を再指定すると定めています。PwCが関連書類一式を入手し、COIが管財財団の最善の利益になると判断すれば、あらためて裁判所に設置を求めることになります
- AHCCの正式な権限は2026年7月9日17時をもって終了しました。旧メンバーは「COI候補委員」として、従来のチャネルでの発信を継続するとしています
本記事執筆時点(2026年9月13日)で、COIが組成されたことを示す公表は確認できていません。設置はPwCが検討中で、優先順位としては分配の実行より下に置かれていると説明されています(前掲・第6節④参照。ただしこれは公式文書ではありません)。
監督の空白をめぐって、契約者のあいだで議論が起きていますB
以下は契約者チャットでのやり取りです。一方は旧AHCCメンバーを名乗る方の説明ですが、その立場を筆者が独立して確認できたものではありません。どちらも公式の見解ではなく、論点の所在を示すものとして読んでください。
COIは不要ではないか、という立場(旧AHCCメンバーを名乗る方の説明)
「取り締まり(policing)は、そもそも債権者委員会の目的ではない。債権者が清算人を選び、裁判所が清算人に広範な権限を与える。委員会は、債権者の利益が守られているかを監督するだけだ。Deloitteは債権者が選任したのではなく、資格や能力の確認もないままBMAによって就任させられた」
「旧AHCCメンバー(新しい常設委員会を構成するメンバーとして選出されているのと同じ人たち)は、PwCから定期的な進捗報告を受けており、短期間での進捗に満足している」
「PwCの選任条件は管財財団にとって有利で、AHCCが8社の候補を数か月かけて面接する競争入札を経て交渉した結果だ。合意された条件では、PwCは債権者への分配を行うまで1ペニーも自らに支払うことができない。これ自体が、利害を一致させ分配を急がせる自己規律の仕組みであり、日々の活動を取り締まる必要はない」
「新しい委員会の構成についてはPwCと継続的に協議しており、近く完了することを期待している」
なお、この「1ペニーも支払えない」という説明は、第6節②で見た資料の記載と完全には一致しません。AHCCの配布資料が初回分配まで繰り延べると述べているのは四半期報酬についてであり、変動報酬まで含めた「一切の報酬」とは書かれていません。
それでもCOIは必要だ、という立場(契約者からの返信)
「以前のAHCCは裁判所による法的な裏づけを持っていた。いまはAHCCが解散し、COIも選任されていない。法的に言えば、契約者の利益を守る主体が存在しない」
「旧AHCCメンバーが定期的な更新を受け取れているのは非公式な関係によるものだ。この70日間、何も知らされていない契約者が不安になるのは当然で、そこは汲んでほしい」
「PwCからは、次の連絡がいつ来るのか、どの頻度で来るのかという説明がない。それも落ち着かない理由だ」
「年内の分配は良い知らせだが、何パーセントなのか、どういう考え方で決めるのかが示されていない。契約者としては、実行の節目を知りたい」
「なぜCOIを正式なものとし、裁判所の承認を得ないのか。何かがおかしくなったとき、COIがあれば法的に介入できる。いまの状態では、誰が動くのか分からない」
公式資料から確認できる事実は、次のとおりです。A
- COIの設置とAHCC7名の委員就任は、2026年5月15日の第1回債権者集会で可決されています
- ただし7月3日付の裁判所命令は、第181条にかかる申立てを adjourned generally(一般的に延期)とし、新清算人の申し出によって登記官が期日を再指定すると定めています。手続きは却下されたのではなく、PwCが申し出れば再開できる状態で止まっています
- 組成を示す公表は、現時点で確認できていません
つまり「なぜ正式化されないのか」という問いに対しては、手続き上は新清算人の申し出待ちであるところまでが公式資料で確認できます。申し出をいつ行うか、あるいは行わない判断をしているかは、公表されていません。
8. 手元現金・資産の所在と費用A
この節は資料的な性格が強い部分です。お金がいくらどこにあるかの記録で、ご自身の行動を決めるうえで必要な情報は、ここには含まれていません。急いでいる方は、この節は飛ばしてください。数字を確認したい方向けに残しています。
Deloitteの免責申請通知に添付された収支計算書から、公式な数字が確認できます。
先に注意点をひとつ。収支計算書は現金の出入りの記録です。契約者資産の本体である有価証券は、この表には含まれていません。下の数字を「残っている資産の全部」と読まないでください。証券を含む全体像は、この節の後半に別表で示します。なお本節には基準日の異なる数字が混在するため、各表に時点を明記しています。
収支計算書(2023年11月24日〜2026年5月31日)
| 項目 | USD |
|---|---|
| 期首現金残高 | 1,879,157 |
| 総受取 | 62,375,975 |
| 総支払 | −11,322,268 |
| 為替差損益 | 423,372 |
| 期末現金残高 | 53,356,235 |
受取の内訳で大きいのは、償還金 45,343,095ドル/有価証券収益 9,787,725ドル/有価証券売却 4,940,859ドルです。表の金額は原資料の丸め表示のため、1ドル程度の端数差が生じます。
現金の所在(2026年5月31日時点):米国短期国債 34,652,507ドル/定期預金 6,681,300ドル/カストディアン保有 11,333,199ドル/銀行 689,228ドル(内訳合計は丸めのため1ドルずれます)。
証券を含めた資産の所在
ここまでは現金の話です。有価証券を含めた全体像は、暫定共同清算人が2026年3月13日の予備会議で示した資料に記載があります。以下は2026年1月31日時点の数字です(上の収支計算書は5月31日時点なので、基準日が異なります)。
| 保管先 | 有価証券 | 現金 | 計 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|
| Butterfield | 38,796,328 | 41,393,033 | 80,189,361 | 42.9% |
| XNT | 65,671,589 | −8,788 | 65,662,801 | 35.1% |
| Logic Investments | 27,091,284 | 7,550,143 | 34,641,427 | 18.5% |
| James Brearley & Sons | 2,651,407 | 113,472 | 2,764,879 | 1.5% |
| Mangold | 2,202,633 | 456,228 | 2,658,861 | 1.4% |
| その他(合計) International Investment Platform、Reyker、Linear、Interactive Brokers、Julius Baer、Monex Europe。いずれも単独では1%未満 |
759,245 | 222,684 | 981,929 | 0.5% |
| 合計 | 137,172,486 | 49,726,772 | 186,899,258 | 100% 四捨五入のため各行の合計は100%になりません |
これとは別に、直接投資が2023年11月30日時点で 76,837,931ドルありました。2026年1月31日時点の額は、同資料でも「不明」とされています。
カストディアンのうち Logic Investments が 9,528,948ドル(2026年5月31日時点)を保有していますが、AHCCによればLogic自体が倒産手続きに入っているとされています。出典はAHCCの書面アップデートで、手続きの種別・時点は示されていません。筆者は一次情報での裏づけを取れていません。
さらに、アクセスや情報の完全性に問題があるため計上から除外されている残高があります。XNT 1,346,510ドル/Julius Baer 47,071ドル/Interactive Brokers 73,907ドル。基準日はそれぞれ異なり、XNTが2026年5月31日、Julius Baerが2023年12月5日、Interactive Brokersが2025年11月19日時点の数字です。
この表について、3点補足します。
- 倒産手続きに入っているとされる Logic は、証券を含めた資産全体の18.5%です。上に挙げた 9,528,948ドル はLogicが持つ現金だけの数字で、カストディアン保有現金の大半を占めるため大きく見えます。この表(2026年1月31日時点)のLogicの現金は7,550,143ドルで、基準日が異なるため一致しません。
- 最大の塊はXNTで、35.1%(約6,566万ドル)。金額の規模で言えば、ここが全体を最も左右します。なお、収支計算書で「アクセスや情報の完全性に問題がある」として計上から除外されているのは XNT名義の残高のうち1,346,510ドルであり、6,566万ドル全体が問題視されているという記載は、配布された文書にはありません。除外の理由が保管先側の事情なのか、清算人が記録を持たないために検証できないだけなのかも、文書からは判別できません。
- Butterfield が42.9%を占めます。保管先ごとの比率は、分配の原資とは直接つながりません。どの資産が分配に回るかは保管先ではなく分離勘定への帰属で決まるため、この表から分配額を推し量ることはできません。
なお、カストディアンが破綻した場合、顧客資産は通常そのカストディアン自身の財産とは分別して管理されているため、破綻がただちに資産の消失を意味するわけではありません。ただし回収に時間を要することはあり、分別管理が不完全であれば不足が生じる可能性もあります。Logicについて実際にどうであるかは、契約者に配布された文書のいずれにも記載がありません。AHCCがDeloitteの免責に反対する理由として「海外のカストディアンにある資産を適時に確保しなかったこと」を挙げているのは、この点を問題視しているものと読めます。
費用の内訳(累計)
| 項目 | USD |
|---|---|
| 前清算人(Deloitte)の報酬・立替 | 3,329,977 |
| 前清算人の法務費用 | 3,008,534 |
| 合計 | 6,338,511 |
契約者に渡った金額(累計)
| 項目 | USD |
|---|---|
| 収支計算書上「Policyholder Payments」として計上 | 167,617 |
| 未投資資金の返金(Refund to Policyholders) | 340,242 |
| 合計 | 507,859 |
清算手続きにおける「分配」(dividend)は、これまで一度も行われていません。上の2件は、清算開始前後の個別の支払いと未投資資金の返金として計上されているもので、宣誓供述書が求めている中間分配とは別のものです。
なお5月31日以降にも、承認済みのJPL報酬702,938ドル、スウェーデン法律顧問への588,397ドルなどが控えています。
収支計算書には次の注記があります。
契約者資金の分離については引き続き調査中であり、分離勘定会社法2000に基づき会社の一般勘定から実際に完全に分離されているかどうかについて、まだ結論に至っていない
9. Deloitteの免責申請 — 異議申立ての期限は終了していますA
2026年7月16日、前清算人の Marcin Czarnocki 氏・John Johnston 氏(Deloitte)から、全債権者宛に免責申請の意思の通知が発出されました。
- 異議は清算人(PwC)宛に
bm_custodianlife@pwc.comへ提出 - 期限は通知日から21日以内。2026年8月6日ごろで終了しています
- Deloitteは8月31日までに裁判所へ申請する段取りでした
AHCCは免責に反対の立場を表明しており、その理由として余剰現金を運用しなかったこと、および海外のカストディアンにある資産を適時に確保しなかったこと(AHCCは、このうち Logic Investments について、現在それ自体が倒産手続きに入っているとしています。筆者は一次資料での確認をしていません)を挙げています。
なお、PwCは免責申請について独自に見解を示すことができ、調査に時間が必要と判断すれば裁判所にその旨を申し立てることができます。現時点で、8月31日の申請がどうなったかは確認できていません。
B 契約者のあいだでは、この免責をめぐって意見が分かれていました(以下は個々の見解であり、事実認定ではありません)。追及すべきという声、追加の法的費用に反対する声、早期終結を優先する声の3つに割れています。
「以前、我々がDeloitteを提訴することについて尋ねたとき、当時のAHCCは『わずかに残った資産をさらに減らすことになる』として却下した。しかし公正に見れば、我々は容易に勝訴でき、資産はむしろ増えるはずだ」
「勝つか負けるかが問題ではない。私が受け取るかもしれない金額が、弁護士費用でさらに減ることには賛成できない」
「今の最善手は、この連中を免責して、この一連の不幸な事態を可能な限り早く終わらせることだ」
10. 情報の受け取り方について — 特にご注意ください
公式な発信が限られている今、どこから情報を得るかは実利に直結します。
A AHCCは第6回(2025年10月31日)および第7回(2026年2月19日)の書面アップデートで、元取締役およびその関係者が不正確な情報を流布していると、名指しで注意を促しています。具体的には、元取締役のアドバイザーを名乗る人物(本件で法的な役割を持たないとされています)、および一部のオンライン媒体の記事が挙げられており、AHCCはそれらについて「不正確」であり、元取締役側による執筆の特徴を備えているとしています。
本記事では、これらの媒体の記事を出典として使用していません。事実関係は清算人および委員会が契約者・債権者宛に発出した書面にもとづいており、契約者どうしのやり取りを引用した箇所は、その旨を明示したうえで区別しています。
B あわせて、契約者向けの情報共有の場そのものにも問題が生じています。6月から7月にかけて、株式・仮想通貨の勧誘を目的とした無関係な投稿が繰り返し流入しました。ある契約者は、見知らぬ番号から「管理者」を名乗る人物に接触され、わずか数分のうちに自分の名前で別のグループを作られたと述べています。
投資勧誘や「代行」を名乗る個別の接触には、特にご注意ください。
清算の手続きで、契約者が第三者に費用を支払う必要がある場面は、現時点で確認されていません。公式な情報は、https://custodianlife.bm/ と bm_custodianlife@pwc.com の2つが起点です。
時系列で整理する
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2023年11月24日 | Deloitteの暫定共同清算人(JPLs)が就任 |
| 2024年 | 元取締役が法廷侮辱と認定される(AHCCの書面アップデートによる。解除を示す情報は確認できていません) |
| 2024年8月 | バミューダ商事裁判所の命令によりAHCCが設置される |
| 2025年10月3日 | バミューダ最高裁が清算命令を発出 |
| 2026年3月12日 | JPLsが分離と中間分配に関する宣誓供述書を提出。分配設計が示される |
| 2026年3月27日 | BMAが元取締役に無期限の禁止命令。同日、Segregation Applicationが契約者に通知される |
| 2026年5月1日 | 投票(特別委任状)の提出期限 |
| 2026年5月15日 | 第1回債権者集会。PwCの選任とCOI設置が可決 |
| 2026年5月29日 | Segregation Applicationの審理予定日(結果は未確認) |
| 2026年6月11日 | 第171/181条の承認審理 |
| 2026年7月3日 | バミューダ最高裁が清算人選任の命令を発出 |
| 2026年7月10日 | PwCの3名が共同清算人に就任。就任通知を発送。AHCCの権限は前日17時に終了 |
| 2026年7月16日 | Deloitteが免責申請の意思を全債権者に通知 |
| 2026年8月6日ごろ | 免責への異議申立て期限(終了) |
| 2026年8月31日 | Deloitteの免責申請期限/スウェーデン仲裁の最終判断期限(いずれも結果未確認) |
| 2026年9月5日〜12日 | 契約者コミュニティでの質疑応答(公式文書ではありません)。年内分配の維持、報酬体系、説明会の予定、COIをめぐる議論 |
| 2026年12月31日 | 中間分配の開始目標/債権届出の期限 |
今後注視すべき5つのポイント
1. 5月29日のSegregation Application審理の結果
分離が認められたか、中間分配が裁可されたか。12月の分配の可否を左右する最大の要因のひとつです(もうひとつは第5節のスウェーデン仲裁です)。結果が公表されれば、それが最も重要な情報になります。
2. PwCのオンライン説明会
開催が予定されていると説明されています(日時未定)。チャットで共有された清算人チームの返信の写しでは「数日内に参加登録の案内を出す」とされています(いずれも伝聞・第6節③)。実現すれば、分配の進捗を直接確認できる最初の機会になります。案内はメールで届くとみられるため、登録アドレスが最新であることが前提です。日時が示されたら、この記事も更新します。
なお、書面での定期報告を求める声も複数の契約者から出ています(第6節③)。同じ要望をお持ちの方は、PwCへ直接お伝えいただくのが早いようです。
3. COIの組成
契約者を代表する法定機関がいつ設置されるか。手続きは却下されたのではなく、新清算人の申し出待ちで止まっています(第7節)。設置までは、契約者の利益を代表する法的な主体が不在の状態が続きます。
4. スウェーデン仲裁の結果
記録が手に入れば、照合が進み、Class BやClass Cの契約者にも道が開けます。最終判断は8月31日までとされていました。本稿時点で結果は確認できていません。
5. ご自身の登録状況
繰り返しになりますが、これだけは契約者側でコントロールできます。評価明細の提出、連絡先の更新、AML/KYC書類の準備。12月の分配に間に合わせるなら、動くのは今です。
本記事の出典と取り扱いについて
本記事では、情報を3つの階層に分けて記載しています。
A 公式文書にもとづく事実— 清算人および債権者委員会が契約者・債権者宛に発出した書面(PwC就任通知、Deloitteの免責申請通知と添付収支計算書、Segregation Applicationに関する書簡と裁判所提出の宣誓供述書、AHCCの各書面アップデート、AHCCが清算人選任投票に先立って全債権者に配布したブリーフィング資料(2026年4月20日)、暫定共同清算人が2026年3月13日の予備会議で示した資料、第1回債権者集会の公開資料、公式サイトで公開されている2026年7月3日付の裁判所命令)。見出しに A が付いた節がこれにあたります。
B チャットグループでの発言— 契約者コミュニティでのやり取り。公式発表ではなく、発言者の立場や情報の正確性を筆者が独立して確認できたものではありません。見出しに B が付いた節がこれにあたり、各所でその旨を明示しています。
C 筆者の推定— A・Bをもとに筆者が組み立てた解釈で、公式文書に書かれている内容ではありません。見出しに C が付いた節がこれにあたります。
バッジのない節は、上記をもとにした筆者による実務上の整理です。
1つの節のなかに階層の異なる情報が混じる場合は、その段落の先頭にバッジを置いています。節のバッジと違うものが付いている段落は、そこだけ出所が異なるという意味です。
利害関係の開示:筆者はCustodian Life Limitedの契約者であり、本記事の内容は筆者自身の利害と無関係ではありません。PwC、AHCC、その他いかなる関係者からも、報酬・依頼・便宜の提供は受けていません。本記事は個人の記録であり、投資・税務・法務の助言ではありません。
個人が特定される情報は記載していません。引用した契約者の意見は個々の見解であり、本記事の見解ではありません。清算手続きに関する正確な情報は、必ずPwCへ直接ご確認ください。
7月10日に体制が変わりました。就任通知には「できる限り迅速かつ効率的に」「合理的に可能な限り速やかに報告する」と書かれています。しかし全契約者に等しく届く書面の通知は、そこから約2か月、出ていません。個別の照会には回答があり、説明会の予定も示されましたが、全員に届く発信はまだ待っている状態です。
一方で、分配の設計そのものは、すでにかなり具体的に描かれています。誰が対象で、いくら受け取れるのか、何が必要か。その要件を満たしているかどうかは、待っているだけでは分かりません。
ある契約者の言葉を引用して、本稿を締めくくります。
「7月10日から今まで新しい連絡がないというのは、『可能な限り速やかに』とは思えない」
次の公式アップデートが出た時点で、本記事も更新します。
関連記事:Custodian Life Limited 清算手続きアップデート(2026年7月11日)
本記事は2026年9月13日時点で確認できた情報にもとづく整理であり、法的助言ではありません。引用した契約者の発言は個々の見解です。個人が特定される情報は記載していません。清算手続きに関する正式な情報は、PwC(bm_custodianlife@pwc.com)および公式サイト(https://custodianlife.bm/)でご確認ください。

