デロイトからCustodian Lifeの清算手続きについて進捗報告がありました。
最近活発に動いてくれているようで何よりです。IFAからも同じ内容で連絡ありました。

この記事の対象読者

「Custodian Life 凍結」「EIB 解約できない」「カストディアンライフ 清算」――こうしたキーワードで検索してこのページにたどり着いた方は、おそらく私と同じ当事者だと思います。

この記事では、2026年3月時点の最新状況を整理した上で、清算人(デロイト)が示している方針に対する私見を率直に書きます。

そもそもCustodian Life / EIBとは?

Custodian Life Limited(カストディアンライフ)は、バミューダ諸島に本社を置いていた保険会社です。提供していた唯一の商品が EIB(Exclusive Investment Bond)で、これは生命保険というよりも「オフショアの投資口座」に近い性質のものでした。最低3万ドルを一括送金することで口座を開設し、世界中のヘッジファンドやETF、株式、債券などに投資できる仕組みです。

タックスヘイブンであるバミューダに籍を置くことで、口座内の売買益に課税されない(税の繰延べ効果がある)点が最大のメリットとされていました。日本人投資家の多くはIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を通じて契約しています。

しかし2023年11月、バミューダ最高裁の命令により デロイト(Deloitte)が暫定清算人(Joint Provisional Liquidators)に任命され、全ての出金・解約が凍結されました。以来、契約者は資産にアクセスできない状態が続いています。

清算人の最新方針(2026年3月時点)

清算人が裁判所に提出した方針の骨子は以下の3点です。

2026年12月末までに中間配当(暫定的な資産返還)を開始する計画です。全額ではないものの、一部の資産を契約者に返し始めるスケジュールが初めて明示されました。

分別管理(Segregated Account)の原則を維持して個別計算を行う方針です。データが不完全な部分はあるものの、「誰がどの資産を保有していたか」を可能な限り特定し、個別に返還しようとしています。

2026年5月29日の裁判で方針を確定させ、その後に意見募集(コンサルテーション)を実施する予定です。

ここまでは「ようやく進展があった」とポジティブに受け止められます。しかし、内容を深く見ていくと疑問が浮かんできます。

【考察】個別計算方式は本当に公平なのか?

清算人が根拠としているのは、バミューダの SAC法(Segregated Accounts Companies Act 2000)です。この法律の核心は「分別管理口座に紐づいた資産は、その口座の権利者にのみ帰属する」という原則で、ある口座の資産が別の口座の負債に充てられることを法的に禁止しています。清算時においても、SAC法第25条により、清算人はこの分別管理の原則に従って各口座の資産・負債を処理しなければなりません。

法律の趣旨としては正しい。しかし、ここに大きな現実的問題があります。

前経営者の非協力により、清算人は完璧なデータを持っていません。つまり、銀行記録などで「たまたま証明できた人」は配当を受け取れる一方、「記録が欠落している人」は後回しにされたり、最悪の場合は返還対象から漏れるリスクがあります。

同じ金額を預けた二人の契約者がいたとして、片方はデータが残っていたから返還され、もう片方は記録の欠落で返還されない――これは本当に「公平」と呼べるのでしょうか。

【私見】一括売却・均等配分のほうが現実的ではないか

ここからは完全に私の個人的な意見です。

現在の清算人の進め方は、膨大な手間と時間をかけて不完全なパズルを解こうとしているようなものです。その間にも清算実務の費用(デロイトへの報酬など)は発生し続け、私たちの資産を食いつぶしていきます。

そこで疑問に思うのは、「個別計算をやめて、会社清算、全資産を売却(価格が折り合えばファンド等への一括売却でも可)し、純資産額に基づいて全契約者に一律配分したほうが、よほど公平でスピーディーではないか」ということです。

「資産が多い人も少ない人も、全員で少しずつ損を分かち合う」という形のほうが、データの有無で明暗が分かれる現在の方式よりも納得感があるように思えます。

ただし、SAC法は分別管理の維持を清算人に義務づけているため、この方式を採用するには裁判所の承認が必要になる可能性が高いです。法的にハードルがあることは承知の上で、「法律の正論を守ろうとして手続きが泥沼化するよりは、全体の公平性とスピードを優先すべきではないか」という問題提起として書いています。

想定されるリスク:計算結果公開後の混乱

もし清算人がこのまま個別計算方式で進めた場合、計算結果が各契約者に通知された後に何が起きるでしょうか。

「自分の資産額が低すぎる」「なぜ自分は返還対象外なのか」という問い合わせが世界中の契約者から殺到し、対応に追われる清算事務はさらに停滞することが予想されます。清算人は裁判所の承認を盾にするでしょうが、現場の混乱は避けられないでしょう。

今できること:コンサルテーションに声を届ける

清算人は現在、この方針に対する意見(コンサルテーション)を募集する予定です。

法律上の正論を守ろうとして手続きが長期化し、費用が膨らみ続けるくらいなら、「多少は大まかな計算でも構わないから、スピードと全体的な公平性を優先してほしい」という意見を届けることは、私たち契約者の正当な権利です。

同じ境遇の方がいらっしゃれば、ぜひ声を上げていただければと思います。

この記事は2026年3月時点の情報に基づいています。清算手続きの進展があれば随時更新予定です。

筆者はCustodian Life / EIBの契約者であり、清算手続きの当事者です。記事中の考察・提案は個人の見解であり、法的助言ではありません。

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